『タコピーの原罪』と『100ワニ』の類似点、口コミヒットを許せない人たちの心理とは
「タコピーの原罪」コミックス下巻「まりなちゃん」を描いた表紙が公開
(出典:Impress Watch) |
2022年3月21日
まいじつ
『タコピーの原罪』は「100ワニ」の再来? 口コミヒットを許せない人たちの心理
ハートフル漫画ならぬ、ハートフルボッコ漫画として、絶大な支持を得ている『タコピーの原罪』。口コミから一躍『ジャンプ+』を代表するヒット作へと上り詰めたが、そうしたムーブメントに“ステマ”を疑う声も上がっている。
人気漫画にステマ疑惑?
「タコピーの原罪」は、家庭環境やいじめによって現実を諦めた女子小学生・久世しずかと、宇宙人・タコピーの交流を描いた作品。しずかを幸せにするべく奮闘するものの、無知なタコピーが空回りし、事態は思わぬ方向へと進んでいく…。
絵柄こそメルヘンチックだが、その内容はあまりにも凄惨。昨年12月から連載が始まると、激しいギャップに魅了される人が相次ぎ、瞬く間に人気作品となった。その勢いは凄まじく、「ジャンプ+」作品で初めて1日あたりの閲覧数が200万を突破したほどだという。
名実ともにWeb漫画の覇権となったが、そんな同作をめぐって“ステマ”疑惑が。とくに根拠はないようだが、広告代理店が裏にいると邪推し、『100日後に死ぬワニ』と同作を重ね合わせる人が続出している。
彼らは口々に、《タコピーって100ワニと同じ手法よな。元から大したもんじゃないコンテンツを大げさに売るのってやめて欲しいわ。ゴミが売れて良品が埋もれる》《タコピーの考察が沢山流れてくるのでなんだか100ワニとちいかわみたいだな〜って》《100ワニ以来のゴリ押し案件感があるな》《タコピーの何が不安って、はやり方が100ワニと近いものを感じるところ》などと想像をふくらませている。
口コミのヒット作はすべてステマ扱い
SNS上でブレークした漫画がステマ扱いされるのは、「タコピーの原罪」が初めてではない。たとえば有名なものとしては、昨年7月に「ジャンプ+」で公開された読み切り『ルックバック』が思い浮かぶ。
同作は『チェンソーマン』でおなじみの藤本タツキによる作品。緻密に作り込まれた傑作で、『このマンガがすごい!2022』ではオトコ編の1位を獲得。単行本の売上も、読み切りとしては異例の50万部に到達しており、多くの読者を魅了したことは疑いないだろう。
しかしそんな作品についても、ネット上では《ルックバックのステマが始まった模様。過大評価にも程がある》《ルックバック、ステマ案件やんけ…ちょっとはワニから学べや》と疑いの目が向けられていた。もちろん、こちらもとくに根拠のない推測だった模様。
それに対して「100日後に死ぬワニ」の場合は、一般人だけでなく著名人もこぞって絶賛しており、「電通」絡みの疑惑が次々と出てきたことが炎上の原因だった。たんに大勢が言及しているからといって、同列に並べるのは無理がありそうだ。
とはいえ「100日後に死ぬワニ」の一件により、疑心暗鬼に陥る人が増えてしまったのも事実。口コミをすべてステマ扱いする人も、ある意味では犠牲者なのかもしれない…。