任天堂「何度も言ってるけど敵のバランス調整何とかして」ハル研「カービィが可哀想だから抵抗がある」
熊崎
「誰でも楽しめる」「間口が広く奥が深い」は、「星のカービィ」シリーズとして、ずっと大切にしてきたコンセプトです。
だから、私も難易度について考え始めた当初は3歳のお子さんでも遊べる、やさしい難易度の3Dアクションを考えていました。
でも、いざ今まで2Dアクションを作っていたのと同じ感覚で3Dアクションのゲームを作り進めると、2Dアクションに比べ、スリルや冒険度が薄まってしまうことに気づいたんです。
2Dから3Dに変化すると冒険度が薄まる・・・?
遠藤
2Dをそのまま3Dにしてしまうと、プレイヤーが行動できる範囲が大きく広がるので敵の攻撃を避け放題になってしまうんです。
3D化で奥行きができて敵を避けやすくなる分、カービィが敵にしっかり囲まれて狙われないと、難易度は下がる一方になります。
神山
2Dだとジャンプするか、攻撃するか、どちらかをしないと、その敵を越えられない。
でも3Dだと戦わなくても、いろんな角度から逃げて素通りできてしまうんです。
二宮さんは、それをどうご覧になっていたのでしょうか。
二宮
ある程度できあがったものをこちらで遊ばせていただき、任天堂からもフィードバックするのですが、敵の配置の調整を何度依頼しても、毎度毎度フィールドが隙間だらけで・・・。
なぜ密度が上がらないのだろう?とハル研さんにお伺いしてみたんです。
そしたら、「そんなに敵に囲まれたらカービィがかわいそうじゃないですか」と。
・・・えっ?「かわいそう」?
熊崎
これは冗談でもなんでもなく、本当に開発しているスタッフはみんなカービィが好きで、カービィを苦しめてしまう場面づくりに抵抗があったんですね。
また3Dアクションが苦手なお客さまを意識した結果、牧歌的なフィールド作りが続いてしまって、倒すべき敵を置いても置いてもうまく隙間が埋められなかったんです。
神山
スタッフはカービィをプレイされるお客さまの中にアクションゲームが苦手な方や低年齢の方がいらっしゃることを想像していたんですね。
カービィには、能力を持っていない「素」の状態の時もあれば、逆に近距離や遠距離の攻撃能力を持っている時もあります。
攻撃能力を持っていない時にカービィが囲まれてしまうと、かわいそうなくらいダメージを受けてしまうのが気になってしまって・・・。
そういう部分の調整はかなり難航しました。
二宮
当初は3Dアクションゲームとしてなんだかピリッとしない遊びになっていたのですが、
その原因が、まさか「かわいそう」という感情にあったとは思いもよりませんでした。
ハル研さんが、こういった今までの経験や感覚を大切にされてそれをベースにゲーム作りをされていることは理解していたのですが、
任天堂としてはお客さまが遊ぶときに持たれる印象を想像しながらフィードバックを続けていて・・・
とかマジで思ってそう
もはや宗教
徹底してる
そういうのとは狙っている客層がまるで違うだろ
話理解してんのか?
カービィ好きな層だとそうなる…かなぁ?