【ロマン】ここにきて『ぱふぱふ』について徹底討論がなされるwww
マグミクス
「知らないもの」をスカされる……だからこそ深い
日本にはあえて直接的な描写を避け、奥ゆかしさに趣を感ずる文化があります。たとえば俳句などはその最たるものでしょう。そして「ドラゴンクエスト」シリーズの「ぱふぱふ」もまたしかりです。
『ドラゴンクエスト」が誕生してから令和の現在に至るまで、何とも淫靡なかおり漂う「解釈の余白」としてプレイヤーの心をワシづかみみにしてきた「ぱふぱふ」……。この記事では「ドラゴンクエスト」シリーズにおける「ぱふぱふ」の歴史を一歩ずつたどっていきます。
●「ドラクエ」の歴史は「ぱふぱふ」の歴史
「ぱふぱふ」の「ドラゴンクエスト」シリーズにおける初登場は、1986年のシリーズ第1作目『ドラゴンクエスト』に他なりません。町にいる女性に話しかけると「おいでぼうや。ぱふぱふしてほしいなら50ゴールドよ。」と鳩尾をくすぐる甘美な誘惑が……。これが記念すべき「ドラクエ」史上初の「ぱふぱふ」です。残念ながらファミコン版ではこのセリフのみ登場でした。
小さなドット絵で描かれた女性と、意味不明な「ぱふぱふ」の語。それでも少年たちの血液を沸騰させるには十分すぎる刺激でした。なおリメイク版ではマイラという温泉町に場所が変わり、そこでは20ゴールドを支払うとお姉さんが実際に「パフパフ」してくれます。とはいえ黒字の背景に「ぱふ ぱふ ぱふ……」と画面に文字が表示されるだけという演出で、何が行われているかはやはり私たちの想像に委ねられております。
●多くの少年たちが首をかしげた「ドラクエIII」の騙し討ち
続く『ドラクエII』でも、ルプガナの町の路地にて「ぱふぱふお姉さん」が登場。こちらは「ねえ あたしってかわいい?だったらぱふぱふしない?」と何だか積極的。容量との戦いがあるにもかかわらず意外と芸が細かく、ムーンブルク王女が死んだ状態でのみ「ぱふぱふ」してもらえるという仕組みとなっていました。
社会現象にもなった大ヒット作『ドラクエIII』の「ぱふぱふ」は有名です。昼と夜という設定が導入された本作において、日没後に訪れると町が「別の顔」を見せてくれます。そんな夜の歓楽街で「ぱふぱふ」チャンスが到来。可愛らしい踊り子さんに言われるがまま、別室に移動。しかも入れるのは一人のみ。わざわざ明かりまで消して「ぱふぱふ」が開始されます。この時、あれほど沈黙を貫いていた主人公が「うぷぷぷふ」「き きもちいい……」と恍惚のあまり声を漏らします。そして、最終的にあるオチがつくのですが、そもそも「ぱふぱふ」が何かを知らないのにスカされたため、少年たちは桃色の煙に包まれたまま首をかしげたのです。
●「ぱふぱふ」のスカし芸は続き……次回作は?
以降、このスカしが伝統芸となり『ドラクエIV』では「おまじない」として登場します。ライアンが他人の「ぱふぱふ」を目撃するイベントもありました。『ドラクエV』では宿屋のバニーガールからお誘いがあるだけ。『ドラクエVI』では化粧の「パフ」だったり、『ドラクエVII』では「パフッ」となるラッパだったり……その後も一度も途絶えることなく「ぱふ」の文字は登場し、『ドラクエ』は、あるいは堀井雄二氏は、プレイヤーをスカし続けてきました。ちなみに、『ドラクエXI』では過去のスカしイベントを総ざらいしてくれます。
さて、こうしたスカし芸の歴史において、初の3Dとなった『ドラクエVIII』に登場した「ぱふぱふ」はこれまでと様子が違いました。妖艶なバニーガールに促されるまま、目隠し状態で椅子に座らされると顔の両脇でスライムが揺らされて、主人公がなんともいえぬご満悦顔になるのです。これまでのスカしはどこへやら、ほとんど擬似描写となっています。もしかしたら本作で長年の謎が解けたという、イノセントな方もいらっしゃるかもしれません。
さあ、次回作『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』ではどんな「ぱふぱふ」が待ち受けているのでしょうか。初期に見られた「何をされているのか」という「解釈の余白」を発売前から楽しむ。これも、きっと、風流です。
マグミクス編集部2021.11.26
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